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2008年03月31日

セルビア・コソボ 再び内戦か 31

「人道的介入」は死語になりつつある 7
スーダン・ソンタグ 「叡智の声・具体的な認識」


【3月31日政治ニュース】3月19日の「再び内戦か」の後、テレビ、新聞等でのこれといったニュース発信が無いままで最終回になってしまった。
世界的関心が再びコソボに集まるのは、セルビアの欧州連合(EU)への加盟交渉をめぐる総選挙実施の5月11日前後だろう。

そこで、コソボ独立問題が投げかけたキーワード、「正義の戦争」について具体的に認識を深めたいと思う。
既に「正義の戦争」について、スーダン・ソンタグ氏大江健三郎氏の往復書簡での対話を紹介しながら若干の見解を示してきた。今回さらに突っ込んで認識を整理したい。

発端は、1999年5月2日号「ニューヨークタイムズ・マガジン」に掲載された「われわれはなぜコソヴォにいるのか」で主張されている二行をめぐっての論議に始まる。



「すべての暴力がひとしく非難されるべきものなのではない。すべての戦争がひとしく不正なものなのでもない」というものだ。そして、スーダン・ソンタグ氏の返信に、「戦争は犯罪です。・・・なかには正義の戦争だとみなしうる戦争も、きわめて少数であれ、たしかにあります。戦争という手段をとらなければ、武力による侵略をやめさせる道がないという場合に限って。」と書いている。

また、戦争の撤廃は、文明の生んだ崇高な、もっとも崇高な大望です。戦争を嫌悪する心は、文明化された人間の証です。」。そして、問題としたい文言が続く、「大望や嫌悪の心があるからといって、人間が喜んですべての戦争を捨て去る段階に現実に到達したというわけではありません。」。この認識過程をスーダン・ソンタグ氏は「叡智の声・具体的な認識」と位置づけている。即ち、「善意があっても、思慮深くとも、直接の具体性にとって代わることはけっしてできません。」という米国流プラグマティズムの合理性の帰結を導き出す。

問題は、スーダン・ソンタグ氏が感銘を受けたという、ドイツの「緑の党」がNATO軍のコソボ空爆を支持してドイツが参戦したことである。ご承知のように、ドイツは大戦後の反省から、日本と同じ平和主義を支持してきた経緯があった。しかし、欧州連合(EU)NATO軍の一員として、初めての集団的自衛権の行使に踏み切った。ここで注目しなければならないのは、参戦を「緑の党」が表明した、即ち市民平和団体がドイツ軍の参戦を後押ししたという事実である。それは他でもない「人道的介入」という正義の戦争と判断したからだ。この時、スーダン・ソンタグ氏がそうであったように、市民の成熟した「叡智の声」として世界の多くの平和団体、市民が賛同したわけだ。そして、日本の9条護憲者を馬鹿にした経緯がある。今日、その馬鹿にされた護憲者もここ10年でめっきり少なくなり「叡智の声・具体的な認識」をもつ9条支持者が多くなった。



なるほどスーダン・ソンタグ氏の説得力ある主張には、よくよく考えれば納得しても可笑しくない、むしろ当然といえるかも知れない。
しかし、スーダン・ソンタグ氏がいみじくも指摘した、「人間が喜んですべての戦争を捨て去る段階に現実に到達したというわけではありません。」は、実は歴史は「すべての戦争を捨て去る」ことにはならないの裏返しと理解できる。そう、人間は「すべての戦争を捨て去る」決意をもたないのだ。これが現実である。「戦争は犯罪です」と認め、しかし、「対立は存在する、不正も存在する」。だから「叡智の声・具体的な認識」を弁護するという結論になったという苦渋の選択だ。



一見当然の帰結に思える「具体的な認識」だが、この段階で誰もが犯すであろう選択の間違いが常につきまとう状況に私たちが在るということを自覚する必要がある。
事実、ドイツはその後、米国との集団的自衛権行使をアフガニスタンで実践した、さらに悪いことには、昨年暮れメルケル首相は日本にアフガニスタン参戦を促しに来ている。戦争を始めた悪い友達はさらに友を呼ぶという、とても「叡智の声」とは考えられない誘惑を仕掛ける。これが現実だ。人間にとって、スーダン・ソンタグ氏がいう「段階の到達」などありえないのだ。
必ず起こりうる現実は、ものごとは膨脹する、連鎖を引き起こすことに尽きる。従って、「崇高な大望」など論じる前に、人間の本性をより冷淡に考えて、「武器を持つな」ということだ。



スーダン・ソンタグ氏は知識人ということであれば、両者に対して、「武器を放棄せよ」というしかない切ない宿命を受容することだ。現実の解決にはならないということではあるが、「段階の到達」がない以上、その「叡智の声」の解釈は、飛躍してしまい、取り返しのつかない歴史的汚点をつくる引き金を生む。現に同国の隣人ブッシュ大統領は、イラクに「正義の戦争」の御旗を揚げ先制攻撃を仕掛け無関係の人々を大量虐殺しているではないか。

また、「正義の戦争」だと軍事行動を始めたドイツは、その延長でアフガニスタンに侵攻している。さらに日本にも国際治安支援部隊(ISAF)への参戦を求めているではないか。そのお陰で、あらゆる懸案事項に対する政策能力が全くない福田内閣が、自衛隊の海外派兵を恒久的にできる「恒久法案」を国会に提出してまとめると言い出した。全くもってドイツの牝狐メルケル首相は疫病神だ。



タイトル「セルビア・コソボ 再び内戦か」の連載は、正義の戦争で始まったコソボ空爆は、今、コソボ独立を果たした結果になりつつあるが、その独立を果たす誘導になった空爆について、もう一度検証する意義があると考え始まっている。
注目は独立が成功するかに集約されがちだが、独立にともなう戦争が果たした今後も重要な過程としてみていく必要がある。
今日では、「人道的介入」という言葉は「国際平和協力」というフレーズにとって変わられ、日本もコソボにPKOで自衛隊派遣を検討している。しかし、平和協力のスローガンの下で相変わらず軍隊が機能することは断じて「独立と自由」を保障しないことを学ぶべきときだ。
その意味で今後のコソボ独立の行方に注目を払いたいものだ。



最後に
日本の自衛隊に残された唯一の歩むべき方法は、「人道的介入」の進化した「国際平和協力」などとは一切関わらず、名実相伴う「自衛」に徹することである。これが百歩譲っての結論だ。
さらに「段階の到達」が可能であれば、軍備縮小に専心することだ。



【完】

2008年03月30日

膨脹する中国 12

聖火はヒマラヤを越えられるか 10
大国主義の植民地政策


【3月30日政治ニュース】 【予告】明日で【政治ニュース】の更新は終了です。チベット抗議問題も今回が最後になります。

北京オリンピックが盛大に終了しても、チベット問題は一向に打開策が見えないうちに国際世論でなくなる可能性は大である。中国当局は、チベット抗議活動は「チベット独立分子による仕業」と決め付けて弾圧の下に葬り去るだろう。そして、チベットに対して一方的な「漢族」による「経済侵略」と少数民族地域の資源と文化遺産(宗教の自由)の収奪が加速する。一番の問題は、経済侵略等による「漢族」の人口流入だ。これは実は民族浄化作戦に意図的に関わらずとも、自然発生的に定着していく。チベット民族の最大の危機がここにある。もはや、生活文化習慣が完全に中国化されるということだ。

そして、これに抗い文化を守れば生活格差が著しい状況に追い込まれるという植民地政策を地で行く結果になる。今回の抗議活動はこれらのマグマが噴出したということだ。

今回の抗議活動に関して、ペマ・ギャルポ桐蔭横浜大学教授(ダライ・ラマ14世の元アジア・太平洋地区担当初代代表)はテレビ、新聞等を通じて積極的にチベット問題の経緯を訴えている。
ペマ・ギャルポ氏は、中国政府がオリンピックでチベットを政治利用している、チベットが中国の一部であることを誇示したことに対する素朴な反発が根底にある、さらに、この際に不穏分子を徹底的に壊滅させるために利用したと指摘している。

3月21日産経新聞 「挑発に怨念噴出 チベットの哀しみ ペマ・ギャルポ氏」を参考に掲載する。

最後に
世界各地で大国主義が少数民族政策を強行している。現在においても植民地政策は大手を振るい傍若無人に繰り広げられている。今後さらに資源確保を建前に止まることがない。
第二次大戦の教訓は、大国常任理事国間の戦争はしないという確約をもたらした。しかし、大国主義の内政不干渉を担保しただけで、その他は大戦以前の構図と全く変わっていないというのが現実だ。いや、それ以上に危険な状況をつくっている、それは「恐れに対する、先制攻撃」がまかり通っているという事実を米国が証明している。

戦後日本は、特異な平和主義国として、世界の戦争状況下で何とか植民地政策からの脱却を模索してきた結果、足掻けば足掻くほど米国の植民地下になるという不条理に苦しみ、今やその苦しみも安楽なモルヒネ的効果をエンジョイする状況を自らつくってしまった。

それは、戦後の徹底的な戦争責任を検証しない、復興ブームに拍車をかけてかき消し、天皇制を今や戦前の民家に一つ(天皇の写真)と同じ国民的アイドル化にまでつくりあげたのと同じである。
現状況は「なさけない」を超えた沈黙を余儀なくされつつある、理念の墓場探しに向っている。



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膨脹する中国 11

聖火はヒマラヤを越えられるか 9
中国兵士が僧侶装い関与か


【3月30日政治ニュース】各国とも中国との利害外交が今後のチベット問題を方向付ける。
友好的、敵対的の二面外交を展開する米国が、「ボイコット」を口にしない限り大幅な事態の進展はないと考えてよい。欧州連合もドイツが表明したように政治的意図と関係なく開会式の辞退を述べるに留まるだろう。

これは、チベット抗議行動が今後さらに拡大、過激になっても同じことが言えそうだ。既に、中国政府はチベット内外において戒厳令状態で警備にあたり、僧侶など抗議活動の芽を摘み取る捜索に乗り出している。さらに僧侶に成りすまし煽動策を講じて拘束に全力を傾注しているとも言われている。

29日毎日新聞は僧侶の抗議行動と関係なく、多数の拘束、寺院内の捜索などがあったと伝えている。


『チベット暴動:「僧侶100人拘束」NGO発表−−四川省・チベット仏教寺院=インドを拠点とする非政府組織(NGO)「チベット人権民主化センター」によると、中国四川省アバ・チベット族チャン族自治州アバ県で28日、中国政府の治安部隊が100人以上の僧侶を拘束した。
数百人の治安部隊がチベット仏教寺院に集結し、僧侶らに外に出ないよう命じた上、寺院内をくまなく捜索。ダライ・ラマ14世の肖像画や関連する書類などを持ち去り、僧侶らを次々に拘束したという。また、治安部隊は今後の抗議運動に備え、寺院の周囲に土のうを積み上げてバリケードを設置した。』(29日毎日新聞=中国総局)



ダライ・ラマ
【写真】29日、ニューデリーで記者会見するチベット仏教最高指導者のダライ・ラマ14世(AP=共同)

さらに、煽動策についてダライ・ラマ14世の証言が30日中日新聞で紹介されている。
『中国兵士が僧侶装い関与か 暴動でダライ・ラマが示唆=チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世は29日、ニューデリーで記者会見し、PTI通信によると、中国軍兵士がチベット人僧侶に変装し、暴動に加わっていた可能性があるとの見方を示唆した。

 ダライ・ラマは「数百人の中国兵士が僧侶の衣服を着て、僧侶を装っていたと聞いた。だが、彼らが持っていたのはチベットの刀ではなく中国の刀だった」と述べた。
またダライ・ラマは北京五輪を支持する立場を強調する一方、「中国は開催国として人権や宗教の自由、環境を尊重しなければならない」と指摘。米国などが中国政府にダライ・ラマとの直接対話を促していることについて「いつでも受け入れる」との姿勢を繰り返し、「わたしはチベットの独立を求めていない」と強調した。

 中国政府が、チベット自治区ラサを一部外国メディアに取材させ、米外交官らに視察させたことには歓迎を表明し「ラサ郊外での調査もするべきだ」と述べた。』(30日中日新聞=ニューデリー29日共同)

今後の各国における展開はやはり米国の対応が方向性を決めるだろう。米国の対応状況を超える他の国はないと考えてもよい。
27日産経新聞は、ブッシュ大統領胡錦濤国家主席と直接電話で意見を交わしたその内容を紹介している。現実的には、この内容がチベット問題と北京オリンピックの関係を示す全てであると考えられる。



『米大統領 中国にじわり圧力=チベット仏教僧のデモに対する中国当局の弾圧に対し、ブッシュ米大統領は26日、騒乱の発生以来、初めて中国の胡錦濤国家主席と直接電話で意見を交わした。ブッシュ大統領は、かつてチベット統治のトップも務めた胡主席に対し、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世との「実質的な対話」を迫る一方、北京五輪のボイコット問題にはあえて踏み込まないことで、逆にじわりと圧力をかける姿勢を示した。

 チベット騒乱を受けて、米政府は中国への接触レベルを大使・次官級から外相級と順次引き上げ、ようやく首脳級の協議に踏み込んだ。米国内でのブッシュ政権に対する弱腰批判や、中国側が依然、軍・治安部隊による鎮圧方針を崩さないことを踏まえてのものだ。

 ペリーノ米大統領報道官によると、ブッシュ大統領は、(1)チベット情勢への懸念表明(2)ダライ・ラマと中国首脳の実質的な会談要請(3)外交官、報道関係者によるチベット訪問の許可要請−を中国側に伝えた。
中国側によれば、胡主席は一連の騒乱を「明らかな犯罪活動」と非難し、警備当局の対応をあくまで正当化した。米側の求めるダライ・ラマとの直接対話については、「祖国分裂活動の停止」「チベット独立主張の完全な放棄」などに加え、「北京五輪を破壊する活動の扇動停止」を新たに条件とした。

 北京五輪について米政府は「政治とスポーツは別」として、ブッシュ大統領の視察訪中の計画を崩さず、こうした機会を通じて中国側に「さまざまな問題への懸念」を伝えるとしている。開会式のボイコットに言及したフランスのサルコジ大統領と対照的に、慎重な外交対応によって中国に、じわじわと圧力をかける方針に徹している。
中国側が北京五輪の妨害に懸念を示したことも、裏を返せば五輪の成否が胡錦濤政権にとり、きわめて重大な政治問題となっていることの証左だ。態度を留保するほど、米側の五輪カードは重みを増す。

ただ、中国共産党チベット自治区委員会書記時代に、ラサに戒厳令を敷いた胡氏は、チベット問題の複雑さを熟知する。仮にダライ・ラマとの対話実現で譲歩すれば、他の民族問題や国内矛盾に飛び火する危険も承知している。それだけにチベット問題の処理は米中双方にとって慎重を要する難題だ。』(26日産経新聞=ワシントン=山本秀也)

なお、日本の対応など紹介するに値しないと考えるが一応、紹介しておく。福田首相は、『チベット騒乱に関する日本の対応について「早期に、かつ平和裏に問題が沈静化することを強く期待する」と表明し、中国政府とダライ・ラマ14世の直接対話を「歓迎する」との立場を示した。』というものだ。(続く)



2008年03月29日

膨脹する中国 10

聖火はヒマラヤを越えられるか 8
オリンピックは大国主義の成れの果


【3月29日政治ニュースチベット人権問題は、中国政府の外国メディア報道に対する否定が反って国際的話題に発展、各国の対応は、否定から批判を繰返すごとに益々不信感を増幅させた。その過敏さは中国政府に対する拒否をも生みつつある。

チベット人権問題と北京オリンピックの関係で確認しておかなければならない現実がある。それは、中国政府は北京オリンピックに際しての過程で、ダライ・ラマ14世と話し合いを断じて持たないということだ。
結論から言って、サルコジ大統領がその仲裁を買って出ても全く無視されているように、この原因は、というより背景はIOC国際オリンピックロゲ委員長が声明を出しているように、「われわれは、オリンピックの主旨と憲章を尊重しなければならない。その主旨は、オリンピックを政治問題化してはならないというものだ」という国際オリンピック委員会のお墨付きがあることだ。
だから、温家宝・首相は、自信をもってオリンピック委員会会長の声明と同じ声明を記者会見で述べた。

中国政府は、チベット問題は世界の大国、特に国連常任理事国が抱えている植民地政策、人種差別と民族問題であり、明らかに「国内問題」だと主張、確信している。
今回の騒動で中国政府に批判的なのが主にEU欧州連合だ、しかし、大国ロシアと米国は、むしろロシアは好意的擁護にまわり、米国は対話を促す程度に留まっている。中国も戦争狂のブッシュ政権に批判されては堪らない、冗談は止めてくれということだろう。

3月28日世界日報はロシアの中国支持を報じている。
 『最近の中国チベット自治区の大規模暴動に対するロシア側の反応は欧米の対中非難と著しく対照的だ。ロシア外務省は声明で「ロシアはチベットを中国の不可分の一部であると再三表明してきた」と中国支持の立場を表明した。両国関係はさらに接近するものとみられる。
また、ラブロフ外相は、チベット暴動はコソボ独立宣言が影響したとし、コソボ独立を承認した欧米諸国を非難した。』

『チベット暴動はコソボ独立宣言が影響した』という論理には脱帽するしかないが、一見民主的である独裁国家は、北朝鮮と変わらぬ唯我独尊、一国よがりの賛美に終始している。それは常任理事5カ国全てに当てはまる近代国家をひと括りにした様式といえる。現在、各国は、自由、民主主義的な国家形態など持ち合わせていないというのが現状だ。(続く)



2008年03月28日

膨脹する中国 9

聖火はヒマラヤを越えられるか 7
開会式ボイコットでも北京オリンピックは盛大に行われる

ポーランド首相
【写真】五輪開会式に参加しない意向を明らかにしたポーランドのトゥスク首相(中央)=ロイター

【3月28日政治ニュース】 ラサでの僧侶抗議行動から2週間が経ち、国際世論から各国の対応が一転し始めた。これまで開会式への辞退、ボイコットを匂わす国はあっても、各国は正式な見解を見送っていた。
米国は、選挙中のクリントン氏、民主党のオバマ上院議員、共和党のマケイン上院議員は、チベット情勢に対して、迅速に中国政府を批判する声明を相次ぎ発表したが、当のブッシュ大統領は黙り坊で、周辺から批判が相次ぎやっと胡錦濤総書記(国家主席)と電話会談に及んだ程度で、その内容はダライ・ラマ14世と対話を促すものでボイコット等については触れなかったといわれている。

プライバシー意識に鋭敏なフランスは、当初からこの問題に傾注していて、クシュネル外相が開会式ボイコットについて「良い考えだ」と表明、また、国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」は、事件当初から各国元首に開会式のボイコットを要請していたと伝えられている。
そして、26日産経新聞は『フランス南西部タルブでの会合に参加したフランスのサルコジ大統領は25日、北京五輪に関し、「あらゆる選択枝が開かれている」と述べ、チベット自治区での中国政府の弾圧が続いた場合、開会式をボイコットする可能性を示唆した。』ことを伝えている。EU欧州連合は、北京オリンピック開会式ボイコットの雰囲気一色になりだした。

さらに、27日になり正式にボイコットする国が出てきた、ポーランドだ。また、26日にはチェコのクラウス大統領もボイコットを表明していた。その事情を28日産経新聞は伝えている。



『ポーランド首相、チェコ大統領も五輪開会式出席せず=五輪開会式に参加しない意向を明らかにしたポーランドのトゥスク首相(中央)=ロイター 【ベルリン=黒沢潤】ポーランドのトゥスク首相は27日付のポーランド紙に対し、中国・チベット問題を理由に、8月の北京五輪の開会式には参加しない意向を明らかにした。フランス通信(AFP)が伝えたもので、同通信によれば、チェコのクラウス大統領も26日、ボイコットする意向を明らかにしたという。欧米首脳が開会式ボイコットを明言したのは初めて。

 トゥスク首相は同紙との会見で、「ポーランドは中小国であり、最初の(ボイコット)国になりたいとはあえて思っていない。しかし、五輪開会式への政治家の参加は不適切である」と言明した。
ポーランド外務省によれば、同国は欧州連合(EU)に対し、チベット弾圧問題に重大な関心を持つよう、外交的な働き掛けを強めているという。外務省報道官は同通信に対し、「とりあえず非公式の活動である」と説明した。

 中国政府のチベット弾圧を受けて、ポーランドの有力カトリック系週刊誌も批判を強めており、ポーランド選手が北京五輪に参加する場合には、冷戦終結に大きな役割を果たした同国の自主管理労組「連帯」のバッジをユニホームに着け、チベット民族への連帯を示すべきだと強調している。』(28日産経新聞)(続く)