小泉純一郎首相は27日から米国とカナダに出発するという政治ニュースが流れた。首相としての最後の訪米になる。
日米、5年間の「ブッシュ・小泉蜜月関係」の報告会と慰労を兼ねた訪米といわれている。慰労の「ウエルカム、ご苦労さん」の所以は、米国に到着すると、ブッシュ大統領は小泉首相をテネシー州メンフィスにあるエルヴィス・プレスリーの墓に案内、お参りに行くことからそういわれている。歴代各国首脳のプレスリーの墓参りは前代未聞とのことである。
しかし、ブッシュ大統領の低迷する支持率を上げる効果として非常に戦略的だと共和党関係者が語っているという。エルヴィス・プレスリーは米国のシンボルである。それを称える日米両首脳の姿にアメリカ人は悪い感情を持たないというのが狙いだという。
外国メディアはこの政治ニュースについて最大限に皮肉った記事を連日掲載しているらしい。しかし、日本のマスコミは訪米の記事すらどういう訳か報じていない。まさか首相の個人的訪米扱いの訳ではあるまい。日本を悪の枢軸国に導いた張本人と会談して、世界に「世界の日米同盟」共同文書を発表するという、5年間の総仕上げに訪米するのである。結果、日本は歴史的屈辱記念日を宣言しに行く訳だから、日本政府、日本国民にとって最大関心事でなければならないはずだ。万が一、北朝鮮が「テポドン2号」を実験発射すれば戦争も辞さない防衛方針の確約調印を行う。これを戦後最大の危機一髪会談と言わずして、何を危険と証するのか。
どう思い巡らしても不思議である。だれも、「小泉首相訪米反対」と言わない。「在日米軍再編」反対の声が広がりつつある状況にも拘らず、だれも「反対」を叫ばない、不思議だ。
しかしながらさすが、産経新聞である。ワシントン大学のヘンリー・ナウ教授との会見「小泉・ブッシュ時代」についてを掲載している。内容の最後は、「5年余りを日米関係という背景の中で総括するのが今回の小泉首相の訪米であり、その結果としての日米首脳会談の歴史的な意義だという。」この文言が全てを物語っている。ヘンリー・ナウ教授は、この5年間の日米関係は日本に自信を与えた特徴ある重要な時代であったと論じている。それに比べ残念なのは、訪米に対して他紙の総括的見解が全く見当たらないことである。国民の声が何らかの起因により埋没されていく状況は、自ずと先が予見されている証拠である。私達は引きずられるように奈落の底へという歴史のシナリオを復習するしかないのだろうか。
私達の平和を願う運動展開と政府の一方的単独シフト戦術が顕示している状況、いわゆる段違いの平行棒的状態、この現状環境を打破、交叉しなければ旧の木阿弥になる。
とにかく、「小泉首相訪米反対」を叫ぼう。

