政治ニュースを深く読み解く。安倍内閣、イラク、北朝鮮、日米同盟など話題の政治ニュースの実態を追求!

2007年12月

2007年12月31日

パキスタン大統領選 29

混迷を深めるパキスタン 5

【12月31日政治ニュース】 暗殺直前の周辺状況に居た目撃者は数人に及ぶ、カメラマンのジョン・ムーアさんもその一人だが、直近中の直近といえば同乗していた最高政治顧問サフダル・アバシ氏だろう。30日産経新聞が伝えたところによると、サンルーフから支持者に応えるように促したかに読み取れる本人の発言が紹介されている。



『ブット元首相 最後の言葉は「ブット万歳!」=【ロンドン=木村正人】30日付の英紙サンデー・テレグラフは、パキスタンのブット元首相は暗殺される直前まで「ブット万歳!」と叫び、これが最後の言葉になったと報じた。
 車に同乗していた最高政治顧問サフダル・アバシ氏の話として伝えたもので、同氏の証言によると、パキスタンの首都イスラマバード近郊のラワルピンディでの選挙集会後、車に乗り込んだ元首相は同氏の「さあ、ブットを鼓舞しよう。ブット万歳」という掛け声に合わせてサンルーフから身を乗り出し、支持者に手を振りながら「ブット万歳!」と叫び始めた。
 そのとき3発の銃声が鳴り響いた。同氏は「彼女は銃弾をかわすため身をかがめたと思った」が、元首相が座席に崩れ落ちた直後に車外で爆発が起きた。元首相は動かず、一言も発しなかった。首の左側に深い傷を負い、着衣は流血で染まり、病院に運ばれたときは手遅れだった。アバシ氏は同紙に対し「彼女の死を信じたくない」と絶句したという。』(30日産経新聞)



28日CNN通信の伝えた、カメラマン、ジョン・ムーアさんの証言、『自爆テロ現場にいたカメラマン、ジョン・ムーアさんによると、ブット氏は車両のサンルーフから体を出して、集会に集まった支援者に手を振っていたところ、発砲音が2度聞こえたという。 その直後、ブット氏は車両の中に倒れ、ほぼ同時に、集まった人々の近くで爆発が起こったという。』

他紙が伝えた周辺の目撃者証言も、ブット氏は銃声と同時に車内に倒れたというふうに表現されている。また、サフダル・アバシ氏の証言にある『首の左側に深い傷を負い、着衣は流血で染まり、病院に運ばれた』とあるのは、当初の国立総合病院の医師が発表したのと同じである。
従って、政府発表の死因、自爆による爆風説は「作られた話」であると考えてもよい。政府の警護責任逃れの事故説は覆されるだろう。(続く)



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2007年12月30日

パキスタン大統領選 28

混迷を深めるパキスタン 4

ブット氏暗殺現場【写真】ジョン・ムーアさんが撮影した、暗殺される直前のブット氏。支援者に手を振っている。

【12月30日政治ニュース】 [28日政治ニュース]冒頭で指摘したように、「軍部関係者の関与を疑う抗議が目立っている。というのも、ブット氏死亡の原因をめぐって、政府発表の暗殺現場状況の説明と現場に居た陣営関係者、目撃者の証言が違っていることだ。」、今どちらかの事実をめぐってパキスタン国内と国際社会は真相解明を迫っている。

ムシャラフ大統領は、7月のモスク(イスラム教礼拝所)籠城事件では、軍隊を強行突入させ、一説によると死傷者総勢500人とも800人ともいわれている事件についても、イスラム過激派側の死者数を75人と発表し、その後事実解明を行わず事件を葬り去った。
パキスタン政府は1月8日の選挙を延期して事件の事実関係を明らかにし、今までのように政府単独発表で事件を葬り去ってはならない。
パキスタン政府は、納得させられる事実関係を国民に対して開示することが最も求められている、選挙はその後のことだ。

そこで暗殺自爆事件について各紙が報じた主だった記事を参考に紹介する。
サンルーフから体を出して手を振っている写真は決定的瞬間の直前のものだ。

28日CNN通信は、カメラマン、ジョン・ムーアさんの証言を掲載している。

ブット元首相、死因は「首」への銃撃と=パキスタン・ラワルピンディ──パキスタン内務省は28日、暗殺されたブット元首相(54)の死因は、「首」近くへ受けた銃撃だったと発表した。一方、ブット元首相の遺体は同日、夫と3人の子供に伴われ、自宅のあるスックルに到着した。
自爆テロ現場にいたカメラマン、ジョン・ムーアさんによると、ブット氏は車両のサンルーフから体を出して、集会に集まった支援者に手を振っていたところ、発砲音が2度聞こえたという。
その直後、ブット氏は車両の中に倒れ、ほぼ同時に、集まった人々の近くで爆発が起こったという。
パキスタン当局は、オートバイに乗った人物がブット氏の乗った車両近くで、爆発物を爆発させたと見ている。』(28日CNN通信)(続く)



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2007年12月29日

パキスタン大統領選 27

混迷を深めるパキスタン 3

1227自爆

【12月29日政治ニュース】 28日の夜パキスタン内務省は、ブット氏の死因は自爆者の爆風で車体のサンルーフに頭部を強打したものによると発表した。
29日毎日新聞は、パキスタン内務省の発表を伝えている。



『ブット氏暗殺:「車体で頭部強打」と内務省 国民に衝撃=【ニューデリー栗田慎一】パキスタンのブット元首相暗殺事件で、同国内務省が28日夜に発表した「車体で頭部を強打した打撲傷が死因」との調査結果は、ブット氏が率いたパキスタン人民党関係者や国民に大きな衝撃を与えている。当初は銃弾による死亡と言明した医師も発言を撤回し、地元メディアは政府による情報操作の可能性を指摘。政府は、事故死に近い状況を示唆することで、国内で高まる政府批判を回避する狙いがあるとみられる。
 27日の事件発生直後、ブット氏が搬送された国立総合病院の医師は、同氏を検視後、「首と頭部に計2発の銃弾を受け、うち首の傷が死因となった」と記者団に語った。
ブット氏墓所【写真】29日、ブット氏の墓所で祈る支持者たち(ロイター)
 しかし28日夜の内務省の発表では、「銃弾は3発発射され、いずれも命中していない。銃撃音に驚いたとみられるブット氏が車中に逃げ込もうとした際、サンルーフの水平扉に頭を強打し、それが死因になった」と、全く違った内容だった。
 男が使用した自動小銃は、自爆の際に粉砕されており、何発発射されたかなどの鑑定は不可能。また、ブット氏の遺体はすでに遺族らによって埋葬されている。イスラム教徒は埋葬遺体の掘り返しを禁忌としており、遺体の再検視には反発が予想される。
 事件の実行犯は銃を発射した後、自爆した。これは当初、ブット氏の射殺に成功した犯人が、身元特定を困難にするために自爆したとみられた。しかし政府発表に従えば、暗殺は失敗したことになり、政府の治安対策への批判は緩和される。
 内務省はまた電話の傍受記録を元に、事件はアルカイダ関係者によるものとの構図を明確に打ち出した。しかし傍受内容は文書で公表されただけで、音声は未公開。名指しされた司令官は関与を否定し、現時点では真相は依然不明だ。国民や人民党支持者の間には、軍や情報機関の関与を疑う声が根深くある。』(29日毎日新聞)



注目すべきは、現地からの第一報となった、『27日の事件発生直後、ブット氏が搬送された国立総合病院の医師は、同氏を検視後、「首と頭部に計2発の銃弾を受け、うち首の傷が死因となった」と記者団に語った。』この記事にある。さらに、『当初は銃弾による死亡と言明した医師も発言を撤回し』とあるように、他国の私たちは、現実のパキスタン社会の情態を理解できないというのが本当のところだ。
軍事政権として独立してから、クーデター、暗殺未遂と常に暴力が政治を蹂躙してきているパキスタン政府は、このブット氏暗殺自爆事件が物語るように混迷を深めるばかりだ。(続く)



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2007年12月28日

パキスタン大統領選26

混迷を深めるパキスタン 2

ブット氏暗殺現場【写真】ジョン・ムーアさんが撮影した、暗殺される直前のブット氏。支援者に手を振っている

【12月28日政治ニュース】 パキスタン国内を問わず国際的にブット氏暗殺究明にやっきになっている。とりわけ、ブット氏陣営人民党(PPP)はムシャラフ大統領の警備体制に問題があったとして、軍部関係者の関与を疑う抗議が目立っている。というのも、ブット氏死亡の原因をめぐって、政府発表の暗殺現場状況の説明と現場に居た陣営関係者、目撃者の証言が違っていることだ。

先ず、今回の事件を現地から世界の各紙が伝えた一報の一つ東京新聞夕刊を紹介する。

『野党が総選挙拒否 パキスタンブット元首相暗殺 車からから顔出し被弾=【バンコク=林浩樹】パキスタンのブット元首相暗殺を受け、野党パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派(PML−N)を率いるシャリフ元首相は二十七日夜、暗殺を阻止できなかったムシャラフ大統領を激しく批判し、「彼がいる限り公正な選挙の実施は不可能だ」として、同党が来年一月八日の総選挙をボイコットする方針を表明した。
 ブット元首相が総裁を務めていた野党パキスタン人民党(PPP)は、四十日間、喪に服すと発表。大統領を支える与党パキスタン・イスラム教徒連盟クアイディアザム派(PML−Q)も選挙運動の自粛方針を打ち出し、治安が悪化する中、総選挙の予定通りの実施は、困難な情勢となっている。
 同国内務省などによると、ブット氏は首都イスラマバード近郊ラワルピンディの演説会場から離れる際、車のサンルーフから顔を出したところを撃たれ、首への銃弾が致命傷となった。銃撃後に自爆した犯人については、若い男との目撃情報がある。
 ムシャラフ氏は二十七日夜、国民向けの演説で「この蛮行は、われわれが戦っているテロリストの仕業だ」と述べ、イスラム過激派の犯行との見方を明らかにした。一方、シャリフ氏は「大統領がすべての元凶だ」と、即時退陣を要求。他の各政党にも選挙ボイコットを呼び掛け、政局は緊迫の度を増している。』(28日東京新聞)

犯人究明の問題になっている現場状況は、「車のサンルーフから顔を出したところを撃たれ、首への銃弾が致命傷となった」、この現地からの第一報がどこまで真実を語っているか、ということだ。(続く)



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2007年12月27日

パキスタン大統領選25

混迷を深めるパキスタン

27日ブット氏

【12月27日政治ニュース】 戒厳令が解除され、曲がりなりにも総選挙へ向けて国内が動き始めた矢先のブット氏暗殺は、パキスタンの民主化が半世紀以上経っても実現しないその現実を如実に世界に知らしめた。とりわけ、米国のシナリオはあっさりと崩れてしまった。

【政治ニュース】は「パキスタン大統領選」のタイトルでニュース特集を組んで配信しているが、今回の事態は、10月に帰国を果たした直ぐの暗殺未遂自爆事件が語る深刻さの想像を超えるパキスタンの憤る現実を見せつけられたといえる。



事件の背景は、イスラム過激派の仕業と伝えられているが、ブット氏暗殺については、ムシャラフ大統領陣営とその関係者は暗殺の現実を当初から察知している、その為の対処処置としてブット氏陣営に何かにつけて忠告を出していたといわれる。今回演説で使用していた自動車も防弾ガラス装備のものを使っているのもその一つだ。米国との関係で今回の総選挙は、ブット氏と二人三脚で実施しなければならないとするムシャラフ大統領陣営ではあるが、別の見立てをすれば余りにも情報がオープンに為り過ぎている嫌いがある。

そもそも「パキスタン大統領選」の特集を組んだ根本的な要因は、【7月29日政治ニュース=パキスタン】、「赤いモスクからジハード(1)=跡を絶たないビンラディン後継者」で伝えた7月10日の、「パキスタン陸軍治安特殊部隊はモスク敷地内のイスラム神学校(マドラサ)に突入、少なくとも武装神学生ら40人が死亡、治安部隊側も3人が死亡、双方に多数の負傷者が出たモスク(イスラム礼拝所)「ラルマスジッド・モスク」労城事件は記憶に新しい。」と伝えたこの事件にある。

マスコミでは負傷者の規模が正確に伝えられなかったが、一説によると死傷者総勢500人とも800人ともいわれ、私たちが各紙で知る報道とは全く違った内容が伝えられている。
イスラム原理主義者は、政府による赤いモスク攻撃事件をことのほか恨みに考えていて、報復攻撃を虎視眈々と狙っているといわれていた。既に、ブット氏は政界復帰のスローガンを「テロとの戦い」とムシャラフ大統領と同歩調を強調、赤いモスク事件では強硬に排撃を支持したと伝えられた。従って、政界復帰後は米国との協調路線を鮮明に打ち出すなど、イスラム原理主義者にとっては許せぬ敵なのだ。(続く)



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2007年12月26日

日米同盟 本土決戦に海上型迎撃ミサイルも配備

ミサイル防衛(MD)計画は集団的自衛権そのもの

【12月26日政治ニュース】12月18日防衛省は、海上自衛隊イージス艦「こんごう」 が、米ハワイ・カウアイ島沖で迎撃ミサイルSM3による模擬弾道ミサイルの迎撃実験に「成功」したと発表した。テレビワイドショウのあるコメンテーターは、最近防衛省の不祥事が相次ぐなか、イージス艦「こんごう」の実験成功は、「何よりも自衛隊の自信につながる朗報だ、莫大な費用というが、北朝鮮のミサイル脅威から日本を守るのだから、国民一人頭で考えれば安いものだ」といった能天気なジャーナリストが居たが、結構、政府関係者とその周辺、国民は同じような感慨を抱いていたと考えられる。

そして、政府は、この成功を受けてさっそくミサイル防衛(MD)計画の緊急対処要領改正を決定している。25日東京新聞は、24日閣議決定されたミサイル防衛(MD)計画の緊急対処要領改正
の内容を伝えている。



『海上迎撃も運用可能に ミサイル防衛要領改正、本格稼働へ=政府は二十四日の閣議で、イージス艦に搭載する海上配備型迎撃ミサイル(SM3)が先の実験成功で配備可能になったのを受け、他国が弾道ミサイルを発射した場合の対応を定めたミサイル防衛(MD)計画の緊急対処要領改正を決定した。
 主な改正は(1)弾道ミサイルの破壊方法にSM3を追加(2)MD関係部隊の行動範囲を首都圏に限定しない(3)原子力発電所の被害に備え、弾道ミサイル発射時などに連絡を取る省庁に経済産業省を追加−の三点。これで陸上配備の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)に加え、SM3も法的に迅速な運用が可能となり、MD計画は本格稼働する。
 これまでの緊急対処要領は、首都圏をカバーする航空自衛隊の第一高射群・入間基地(埼玉県)などのPAC3に対応していた。
 
政府は二〇〇五年の自衛隊法改正でMDの法的枠組みを整備。首相の承認を得る余裕がない緊急時は、緊急対処要領に従い防衛相があらかじめ迎撃を命じ、発射されれば現場指揮官の判断で迎撃できるようにした。
 イージス艦「こんごう」へのSM3配備は、昨年の北朝鮮による弾道ミサイル連続発射や地下核実験を受け、当初予定より約三カ月前倒し。SM3配備のイージス艦を一〇年までに四隻に増やし、PAC3も同年初頭までに全国十一基地に発射機約三十基を配備する予定。』



因みに18日の実験は、入念な準備を積み重ねた計算済みの実験で、11月6日に米軍と共同で標的を追尾、捕捉する模擬実験を行い、防衛省は絶対に失敗できない実験として臨んだもので、当たらないほうがおかしいといわれている。



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2007年12月25日

セルビア・コソボ 再び内戦か 8

2008年2月6日 コソボ独立宣言

【12月25日政治ニュース】 25日日経新聞は、セルビア地元紙の独立に関する報道を伝えている。

コソボ独立宣言、08年2月6日か=セルビア領内で国連暫定統治下にあるコソボ自治州が来年2月6日に独立を宣言する可能性が出てきた。セルビア紙ベチェルニエ・ノボスチが外交筋の見通しとして伝えた。コソボの最終地位を巡る当事者間の交渉が決裂し、独立を目指すコソボ側は米欧の支持を背景に独立宣言する時期を探っている。独立宣言の具体的な日程が浮上したのは初めて。
 
2月6日説が浮上した根拠として、セルビア大統領選の決選投票が2月3日に予定されていることがある。決選投票前に独立を宣言すれば、極右民族派候補に有利に働く可能性が大きい。現職の民主派、タディッチ大統領の再選が地域安定に不可欠と判断する米欧が独立宣言を選挙後まで自制するよう働きかけたとみられる。
 24日までにコソボの有力政治家から相次ぎ、「米欧と秘密裏に独立宣言の日程が決まった」との発言が出た。現地紙も「独立宣言はセルビア大統領選の終了を待って実施する」と伝えた。』(ウィーン=桜庭薫・25日日経新聞)



国連コソボ暫定統治機構のトップ、リュッカー国連事務総長特別代表は、「国連暫定統治の現状を今後も続けるのは不可能」と指摘している。しかし、独立という国家体制をとらない限り、コソボは社会システムの変革を遂行できないのが現実である。そこで、アハティサーリ国連事務総長特使が、国際社会の監督(監視)の独立案を支持しているといわれるが、コソボにとっては、本末転倒な案だと一蹴してもおかしくない。

欧州連合(EU)主要国と米国の正義の戦争、正義の集団的自衛権の行使は、8年の歳月を費やしコソボに何をもたらしたのか、ロシアの拒否権だけを問題にせず、「武力介入=空爆」そのものを真摯に考察しなければならない、遅すぎた時機到来だが。



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2007年12月24日

パキスタン大統領選24

米国の対テロ軍事援助は米国の勝手

【12月24日政治ニュース】 24日読売新聞は、ニューヨークタイムズ(電子版)にアップされたアフガニスタンへの米国の軍事援助は、対インド軍事補強に転用されていたとする記事を紹介している。

『2001年の米同時テロを受けて始まった、米国からパキスタンへの軍事援助は、国際テロ組織アル・カーイダや、アフガニスタンの旧支配勢力タリバン掃討のため、約50億ドル(約5700億円)が拠出されたほか、兵器購入費と軍事訓練費として、毎年3億ドルが提供されている。
 しかし、同紙が複数の米軍関係者から得た情報によると、パキスタンは、対テロ戦のコストを水増し請求し、その余剰分をインドに対抗する軍拡競争へ流用しているという。
 具体的には、今年、軍用ヘリコプターの維持費としてパキスタンに支払われた5500万ドルのうち、実際に現場に届いたのは、2500万ドルだけだった。
 また、最近、アフガン国境を視察した米軍関係者は「パキスタン兵士の中には、雪の上をサンダル履きで勤務する者がいたり、第一次大戦時のヘルメットを着用し、粗末なライフル銃しか持っていない者も見受けられる」と証言し、前線に援助が行き渡っていない実態を暴露した。』



紹介されたニューヨークタイムズの記事は基本的な認識に間違いがある。
そもそも、ムシャラフ大統領はアフガニスタン空爆に賛成ではなかった。
しかし、2006年9月21日CBS “60 Minutes” の放送において、「ムシャラフ大統領は、2001年のアメリカによるアフガニスタン侵攻の際に協力しなければパキスタンを「石器時代に戻す」ほど空爆するとアーミテージから脅迫されたと告白した」一件にあるように、アーミテージ氏の脅しに屈して軍事援助を了解した。それも、ただでもらった訳ではない。飛行場の使用と米軍の施設を貸し与えての代償として援助を受けた。もっとも代金が妥当であるかどうかは別だ。それと同様にその支払われた代金の運用は、パキスタン政府の裁量権での使用で何ら問題ではない。

米国はいかなる場合においても、他国に対する援助支出は、常に正義の為の援助資金だと世界に思い込ませる悪い慣習をマスコミ筆頭に国民自ら自賛している、間違っていても改めようとしない。困った民族性DNA人種だ。



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2007年12月23日

セルビア・コソボ 再び内戦か 7

プーチン大統領は本気だ 3

【12月23日政治ニュースロシアにとってコソボ独立問題は、単なる外交上の問題ではなく、軍事戦略の要となる最重要課題の延長に位置づけられている。
ロシアは、コソボの単独独立を認めることで、ロシア周辺の独立運動への引き金になる懸念から、欧州連合(EU)による現実的なロシア囲い込み戦略に転化する恐れを警戒している。



そして、欧州連合(EU)と米国によるその戦術は既に展開されている。それは、米国が進めているポーランドとチェコへのミサイル防衛(MD)配備計画だ。
コソボ独立問題と米国のミサイル配備計画は、ロシアにとっては同じ土俵の問題なのだ。今回これらの対抗措置として、プーチン大統領は思い切った戦略に打って出ている。それは、「欧州通常戦力(CFE)条約」の履行停止措置だ。
20日読売新聞は社説でロシア、プーチン政権の戦略を論じている。



『プーチン外交 大国復活をもくろむ“強面” =ロシアのプーチン政権が推進する“強面(こわもて)”外交が、これまで以上に明確な形を取り始めている。
 最近の動きで注目すべきは、1992年に発効した欧州通常戦力(CFE)条約の履行を一方的に停止した措置だ。
 欧州諸国に配備される通常兵器の上限を定めたCFE条約は、冷戦後の欧州の安全保障体制の礎石、との評価にふさわしい実績を上げてきた。
 今回の措置で、ロシアは北大西洋条約機構(NATO)に対し、条約が定める兵力の移動や軍事演習などに関する情報の通知義務を負わなくなる。査察も受け付けないことが予想される。
 
ロシアもNATOに対し、同様の情報公開などは期待できなくなり、軍事情報をめぐる透明性は低下するだろう。発効から15年、CFE条約が重大な転機に立たされているのは間違いない。
 問題の直接の発端となったのは、米国が進めているポーランドとチェコへのミサイル防衛(MD)配備計画だ。
 米国は、イランからの弾道ミサイル攻撃を想定したもの、と説明してきたが、ロシアは受け入れていない。その背後にロシア封じ込めの意図を読み、対抗策として打ち出したのが今回の措置だ。
 条約復帰のための条件として、ロシアは、バルト3国とスロベニアの条約加盟や、ロシア国内での軍移動制限の撤廃などを挙げている。
 プーチン政権の非妥協的な姿勢は、かつてのソ連圏における勢力復活を目指す意図の表れのように見える。』(20日付・読売社説)



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2007年12月22日

セルビア・コソボ 再び内戦か 6

プーチン大統領は本気だ 2

【12月22日政治ニュース】 コソボが単独に独立を宣言する可能性が濃厚になってきた。欧州連合(EU)主要国と米国は、コソボが独立宣言をした場合は直ちに承認するといわれているが、セルビアは強硬に反対するし、ロシアは飽く迄も国連の枠組みでの承認しか認めない。
ロシアは大国の復権を既に手中に収めかけている。プーチン大統領はその自信を国内で磐石なものとして、国際社会で威力ある発言を繰り広げている。

ロシアは、これまでコソボの独立を拒否するセルビアを一貫して支持してきた。そして、ロシアには、そもそもコソボの独立を認める姿勢は全くない。その強い意志を表明している記事が18日 AFP通信で報じられている。

『コソボ自治州の独立問題をめぐり、ロシアが西側諸国に警告=ロシアは17日、セルビア南部コソボ自治州が西側諸国の支援を受け、一方的に独立を宣言すれば「統制不可能な危機」に陥る可能性があるとの警告を発した。同州の独立問題については19日、国連安全保障理事会が最終的な協議を行う予定となっている。

 ロシア外務省は、同自治州の独立への動きを容認する数か国の「甘い」姿勢は、情勢安定に向けて「深刻な負の結果」をもたらす恐れがあると警告する声明を発表し、独立に真っ向から反対する意向を示した。
同省は声明の中で、「国際法が維持されなければ、状況は統制不可能な危機に陥る恐れがある」とし、コソボ自治州の最終地位についての決定は国連安保理の協議でのみ下されるべきだと述べた。

 欧州連合、米国、ロシアの仲介により、合計で18か月間にわたって行われてきた同州の最終地位をめぐる当事者間の交渉は、決裂したまま10日に期限切れを迎えている。』(18日 AFP)

ロシアが西側諸国に宣戦布告ともいえる強硬発言を発表している。ロシアがコソボ独立問題で武力行使をも辞さない姿勢を表明しているのには、それなりの理由がある。それはとりわけプーチン大統領の大国ロシアが、今後の世界に及ぼす位置づけを決定するほどの重要な外交問題であるからだ。(続く)

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