政治ニュースを深く読み解く。安倍内閣、イラク、北朝鮮、日米同盟など話題の政治ニュースの実態を追求!

2007年02月06日

政治ニュース 審議拒否やめ論戦を

与党の1勝1敗で終わった選挙後の関心と言えば、珍しく共産党が参加した野党4党の国会審議拒否についての是非であろう。昨日のサンデー・プロジェクト田原氏もこの件について、民主党松本政調会長に今後の対策方針をこの場で明言せよと強行に迫っていた。つまり、このまま審議拒否を続けることに対する痛烈な批判である。常連パネラーも批判口調の発言を繰返していた。また、本日のスーパーモーニングでは、左翼的陣営と思われるパネラー達も、一瞬ドキッとする「審議拒否は今の時代に合わない、野党の戦術は間違っている」、また「昔の社会党的で戦術は古い」と虚仮にした発言があった。そして、柳沢発言よりも継続審議の「少子化」、「カネと政治」問題を審議しなければならないと主張していた。普通に考えれば田原氏ならびにテレビコメンテーターの発言は然りそのものである。柳沢発言が突起された政争の具になってしまい、これではイジメと同じではないかという意見まで出てくる始末だ。



政治ニュースだけでなく、とかく日本人は忘れっぽい、心底憎むことの出来ない善良な民族であることを一種の誇りに処世術としてきた嫌いがある。重宝する言葉に「水に流そう」、「墓場まで持っていくしかない」等、こと忘れる事に関しては天下一品である。それが今回の選挙戦について小沢代表が「日本人はどうして行動できないのか」と言う発言とどうも結びついているように思う。


 

話を戻そう、昨日から各氏、各紙が「審議拒否はけしからん」と政治ニュースが繰り返され、それを証明するかのごとく、7割に近い人が「審議拒否」に反対だと世論調査の結果を紹介すればどうなるだろう。これは最早かつての「戦争するしかなかった」状況と同じだと言えないか。


 

本日の毎日新聞「発信箱」は「審議拒否批判のズルさ」というタイトルで、朝日、読売新聞両紙は、柳沢発言は論外としながらも、「辞任の是非」については判断を避けていると言及している。産経の「主張」は安倍首相も陳謝しているのだから許してあげよう論調だ。因みに毎日新聞は「辞任してけじめをつけよ」と社説で主張している。そして、肝心な国民の反応といえば、「辞任する必要はない」という人が、調査各紙で是非パーセントが数値の違いではなく、反転しているのが現実であり、その時気分でどちらとも言えない声も多いのが現状だ。決して、「辞任すべき」という声が圧倒していない。
今回の選挙結果から押して、自民党、民主党両党の政党支持率が大幅に低下していることがこのことの現実を大いに物語っている。
そして、この現実を推測すれば、もはや「柳沢発言」は「糾弾すべき、許すべき」の対象ではなく、「もう、よいではないか」の範疇に押しやられていることを認識する必要があるだろう。従って、こんなことで「審議拒否するのはオカシイ」ということになり、公共的に見える各氏、各紙の意見が尤もだということになる。既に日本の美徳になっている「決着をつけることをしない」動作に終わらせてしまうことで幕引きになる訳だ。もっとも、善良な人々は、首相が異例の陳謝をしているのだからその地点で話は終わっていると解釈しているのだろうが。


 

甚だ以って残念なことではあるが、「けじめ」という歴史的意味も既に風前の灯になっている昨今、国民自ら判断、審判を下すことの習性を剥ぎ取った状態で国民投票を実現するとは空恐ろしいことの一語だ。これほど罰当たりなことはない。