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2007年07月14日

魂消た話 「つくる会」会長は元共産党員(4)

「つくる会」は分裂している。思考停止した狂信的保守思想が解体を始めている。八木秀次
高崎経済大学教授・八木秀次氏(撮影・大西正純)

裁判沙汰の決定的要因は、藤岡氏が代表執筆者となった『新しい歴史教科書』が同一出版社から継続発行されなくなったことが、実は「事態の主因」であると憶測した。おそらく検討違いはないはずだ。



但し、1年間の猶予については、教科書出版とは別な理由もあったと考えられる。実は、この1年間の間で、これまで出版運動に邁進してきて棚上げにしてきたと思われる個々人の保守思想の整理が行われていたと考えられる。いわゆる、「つくる会」の内紛から組織の再編、保守思想の構築作業が粛々と培われてきたという見方である。



思想は悲しいかな「死す運命を繰返す」ものだ。保守思想といえども例外ではなく、反って「普遍」追求が過激な思想ほどその運命にある。従って、常に保守思想と宗教の問題が論じられる所以でもある。
この紙面では、裁判沙汰の経緯に話題を絞り論じるが、「つくる会」の内紛には、戦後急成長を遂げた現代保守思想の誕生がうかがわれる。それは、故江藤淳氏の自殺に象徴される。



西尾幹二

つくる会」創立者の一人で名誉会長の西尾幹二氏と内紛の張本人になっている八木秀次氏とは、保守思想の概念が違っている。両氏には、30年の保守思想史のもつ起死回生があり、思想家が体験しなければならない試練があるから当然な帰結でもある。それを、今回の場合を「下克上」とひと括りにするのは、反って「つくる会」の今後の思想展開を閉塞的なものにしかねない。
但し、八木秀次氏の会長就任は、「つくる会」が八木氏の政治的人脈を生かした権謀戦略を利用する思惑があったにしてもやや拙速な推薦ではなかったか。部外者がいうのも如何なものかと思われるが、近代保守思想家と関係者から是認される人物が必要であった。八木秀次氏は現代保守思想の一人に過ぎないというのが妥当な判断だと思われる。しかし、藤岡信勝氏は妥当だということにはならない。



今回の裁判沙汰は近代保守思想現代保守思想の葛藤とみることができる。
思考停止した狂信的保守思想が大きな悲鳴を上げながら解体を始めていくようにみえる。



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