赤いモスクからジハード(9)
【8月9日政治ニュース=カブール】 9日、毎日新聞東京朝刊は『アフガニスタンの旧支配勢力タリバンによる韓国人拉致・殺害事件で、政府側の現地交渉責任者を務める中部ガズニ州のパッタン知事が、「事件の背後にパキスタンの情報機関がいる」と発言し、波紋を呼んでいる。』と報じた。
【7月29日政治ニュース】はパキスタン・イスラマバードで、赤いモスクに神学生らがろう城、10日、モスクへパキスタン軍が突入、少なくとも神学生ら40人が死亡、治安部隊側も3人が死亡した「ラルマスジッド・モスク」労城事件を伝えた。
実は、今回の韓国人人質事件はこの「赤いモスク」の復讐の飛び火と考えられる。彼らはそれを「ジハード」と呼んでいる。
歴史的にパキスタンは、インドへの対抗上、後背地となるアフガンと同盟国的であることを望んでいる。しかし、9・11事件後、インドへの対抗上、パキスタンは米国の支援国家になる。アフガニスタンからすれば裏切り的関係に変貌色を強めた政策にでたという経緯を踏むことになる。結果的には、アフガニスタンも米国の傀儡政権となってしまう訳だが、両大統領にとってすれば、同じ米国ブッシュ政権下の狢的体質そのものなのだ。従って、共通の敵は勢力拡大したタリバンということである。
9日から両国間の「大会議(ジルガ)」が開催されるが、知事の発言はアフガン側のパキスタンへの不信感の強さを象徴するものとして注目され、それを受けて、早速パキスタンもムシャラフ大統領が欠席すると発表する始末である。
以前からNATO軍とアフガニスタン軍による空爆はタリバン勢力を追って、パキスタンに越境攻撃を繰り返し、両国の一般住民を殺害していることは既成の事実である。従って、今回もタリバン人質グループに攻撃が仕掛けられれば当然パキスタンに逃走する。
1週間前に伝えられた人質救出軍事作戦開始(誤報であった)が伝わった時には、「タリバン隊員らが2人以上の人質を連れてガズニ州東南のパクティカ州に移った」と直ぐに報じられた。
パクティカ州はパキスタンとの国境付近にある山岳地域で、すべての住民がタリバンに好意的なパシュトゥン族だといわれている。(続く)