どうする 民主党 新日米同盟(14)
伊勢崎賢治氏の「平和構築」論は本物かもうひとつ認識を深めなければならないアンケートがあった。NHK側の質問で、日米同盟について、「もっと強めるべきだ、現状でよい、弱めたほうがよい」という設問が出された。左翼的、右翼的各3名、6名の有識者パネラーにNHKは意見を求めた。というのは、右翼的3人の方が「弱めたほうがよい」になっているからだ。しかし、これは当然の意見表明で、願わくば、軍隊を強靭なものにして独立国日本を夢想しているから理解できる。問題はただ一人、護憲派として出席している伊勢崎賢治氏が「現状でよい」と表明していることだ。ここに最大の今日の矛盾の限界が垣間見られる。
即ち、自衛隊は必要なのである。従って、NHKは野暮な質問を右翼側にして、伊勢崎賢治氏を無視した。本来ならば、一人だけ異論が出たのだから当然その理由を聞かなければならない。あえてそこを素通りするところに、二項対立的な構図を突きたくないという、強いて言えば、参加者と視聴者に配慮した形をとったと考えられる。又もや一つ「自衛隊廃止論は今後話題にしない」タブーが増えた訳だ。
そこで、どうして伊勢崎賢治氏は「日米同盟は現状でよい」という選択をしたのかという疑問が残る。周知のように、伊勢崎氏は、元自衛隊員と共にアフガニスタンに出向き、軍閥、民兵の武装解除、社会復帰を推進させた功労者と紹介されている。いわば戦場の現場に立ち「平和構築」を考えた人だとされる。
そこで、伊勢崎氏がアフガニスタンでの経験から発言している「平和構築」論の考えを具体的に検証することで、「日米同盟は現状でよい」という回答になったかを探ってみる。
伊勢崎氏は、2006年「日本の論点」に『「一般市民を殺さない」国際貢献のためには九条を改正してはならない』という論考を寄稿している。イラク、サマワでの自衛隊人道復興支援の評価について言及しているのだが。(続く)