「9・11」と日米同盟
【9月11日政治ニュース=【格物致知】】 11日、各紙は、臨時国会が始まり、安倍首相の所信表明演説についての話題を大々的に報道している。産経新聞は〈主張〉で《「9・11」から6年 対テロ戦への結束崩すな》のタイトルで「9・11」事件と「テロとの戦い」について言及、「テロ特措法」によるインド洋での給油活動の継続が重要であることを訴える記事を掲載している。
記事の特徴は、「テロとの戦い」は国際社会の取り組みとして、日本も国際協調国として参加することが当然である。しかし、と説明されている。この6年間取り組みは順調ではなかったとして、「テロを克服する道は今後も険しく、遠い。」と記されている。
また、毎日新聞は産経新聞と同じタイトル《「9.11」から6年》で特集記事を掲載している。それは、ブッシュ政権に徹底批判を続ける世界的社会批評家、チョムスキー氏のインタビュー記事になっている。冒頭タイトルは『「テロとの戦い」は逆効果 「イラク、アフガン侵攻は戦争犯罪」、「暴力でなく、警察的手法で解決を」』という結論についての持論を展開したものとなっている。
その一部を紹介する。『アフガン侵攻も戦争犯罪だ。アフガンを実効支配したタリバンは米国に、9.11とビンラディンとの関係を示す証拠を出せと要求した。ビンラディンの引き渡しを求める場合は証拠を示さねばならない。タリバン政権転覆のため米国が爆撃したことこそ国際テロの見本だ。』と述べている。
さらに、『米国が「テロとの戦い」を宣言したのは初めてではない。レーガン政権も「テロとの戦い」を口実に中米、南部アフリカ、中東を軍事攻撃した。不幸なことに、これは強国がプロパガンダとしてよくとる手法であり、ブッシュ政権も同様だ。イラク侵攻は戦争犯罪であり、日本やドイツの指導者が(第二次大戦で)裁かれたのと同じものだ。』と明確に説明している。
6年経った現在、米国では、2003年のイラク侵攻は「イラクは大量破壊兵器を持っている」という開戦事由が「でっち上げ」だったことが政府筋から表明され、ブッシュ政権に対する信頼がた落ちから、今では「米当局は911の発生を黙認したのではないか」、「911はブッシュ政権の自作自演ではないか」という当初から噂されていた「911謀略説」の見方を採る人が多くなっているといわれている。
さらに、「9.11」に対する米政府の説明について、議会で徹底究明を求める声が、世論調査で半数以上に上っているとも伝えられている。
9月11日を目前に、時機を見計らったように、7日、アルカイダの指導者ウサマ・ビンラディン氏の「米国への直接攻撃を警告」するビデオ声明が公開された。
[10日 ロイター通信=ワシントン]は、『今月7日に公開されたアルカイダの指導者ウサマ・ビンラディン容疑者のビデオ声明について、米情報当局者らは10日、同容疑者の「黒いひげ」に困惑していることを明らかにした。
マコネル米国家情報長官は上院聴聞会で「ひげが染められたのか、整えられたのか、本物なのか分からないが、われわれが注視しているものの1つだ」と証言。「前回登場したビデオとは大きな違いがある」と述べた。』
テロの恐怖を思い起こさせるこのようなビデオ声明について、政府筋が「大きな違い」と表明したが、米国民の多くは、より明解にこのビデオをニセモノと考えていることが伝えられている。恐怖を煽り、国民を政府に結束させようとする米当局のニセモノではないかという訳だ。
日本政府は、国際平和協力国、日米同盟を楯に盲従的に国際大規模テロ集団の仲間入りをしてブッシュ政権の機嫌取りに奔走してきた。米国自体がイラク戦争は間違った情報の下での戦争であったと昨年、釈明をした。しかし、日本政府は、当事国が間違った戦争であったと表明しているにも拘らず、事態の検証と今後の関わりについての具体的展望も持たないまま、ただひたすらに米国に追随するのみの戦争ほう助を続けている。
チョムスキー氏が、『イラク侵攻は戦争犯罪であり、日本やドイツの指導者が(第二次大戦で)裁かれたのと同じものだ。』と指摘していることを考えれば、やはり日本は同じ過ちを犯してしまっていると痛恨せざるを得ない。9条信仰での日本平和主義は、戦争に裏打ちされた日本人の願望産物に過ぎなかったと糾弾されても致し方ない。
米国が唱える「テロとの戦い」の本当の意味、目的、そして日本に及ぼす結果を今回の「テロ特措法」延長で各個人が徹底的に考えてきっちりと答えを出さなければ、単に国際平和協力だ、日米関係だ、との延長で単純に「給油継続新法」だと拙速に決めてしまうことは許されない。