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2007年09月28日

安倍首相辞任効果のテロ特措法(10)

シーレーン防衛国益論とは3
実は「テロ特措法」は南シナ海のシーレーンを守っていたのだ


9月5日産経新聞は、東京特派員湯浅博氏のタイトル「テロ特措法がシーレーン守る」を掲載している。内容は、湯浅氏の中国脅威論、南シナ海抑止論の展開である。



『中国にとって海洋は、エネルギー資源の所得であると同時に、中台統一にからむ米軍事力への対応にある。そのためのシーレーン防衛は中国海軍の最大の狙いであろう。
この危険海域で、日中の艦船が偶発的な戦闘に至る危険は否定できない。日中が緊迫した場合に、中東原油の動脈である南シナ海のわがシーレーンが妨害される可能性は極めて高い。
中国が南シナ海で日本のタンカーの航行を妨害すれば、インド洋で中国船を多国籍軍が捕捉できる。その警戒感が中国の行動を抑止する。海自がアラビア海で多国籍軍に組み込まれることは、日本のシーレーン防衛になるとの果実があるのだ。』(9月5日産経新聞)



近年、中国の軍事予算の増加には目を見張るものがある。特に、軍事力を外海に向けての配備が進められている。その拠点になるのが海南島で、ミサイル基地と軍港の建設が進行中だ。また、注目を集めているのが、2010年までに戦闘機約50機を搭載できる4万8000トン級中型空母2隻の建造が急ピッチで進められていることだ。というのもこの空母は東シナ海と南シナ海の両海域に配備され睨みを効かせることになっているからだ。



湯浅氏の中国脅威論は、いつ日中戦争が勃発してもおかしくないから常にその準備をしておく必要があるという、いつもお馴染みの「北朝鮮ミサイル発射説」と同じである。
産経新聞のこの手の論評には、外交戦術を無視した発想で紛争勃発を煽る、もしくは誘導しているものが多い。外交戦略こそ緊迫緩和の方法論であることを産経新聞の論説は全く考慮していない、と考える訳だが。しかし、思い起こせば、現在の「進化する日米同盟」は、中東から東アジアに至る地域を網羅する「不安定の孤」として変貌していることを私たちは忘れていた。
「不安定の孤」を念頭におけば、「テロ特措法」は米軍の後方支援を行うことになっているのだから、当然その範疇は、南シナ海のシーレーンも守るわけだ。



産経新聞は「進化する日米同盟」を正当に評価、解釈している。その立場からすればあながち的外れな主張ではない。私たちの方が新日米同盟の罪深さを理解していなかったことに尽きる。

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