パキスタン大統領選23
【12月16日政治ニュース】15日ムシャラフ大統領は、11月3日発令した非常事態宣言を42日ぶりに解除した。来年1月8日大統領選挙に向けての民主的態勢を国民にアピールした。
今後のパキスタンにとって戒厳令中の42日間がどう影響するかは予断を許さない、世界の注目するところだ。
15日読売新聞は現地からの非常事態宣言解除のニュースを伝えている。
『パキスタン大統領、非常事態宣言を42日ぶりに解除=大統領はこの間、大統領再選の障害となる最高裁長官らを排除し、今後の違憲訴訟を見込んで憲法改正に踏み切るなど権力維持に向け数々の布石を打った。宣言解除により、来年1月8日に予定される下院選の選挙活動は原則として制限が撤廃され、各党とも選挙戦に突入した。
ムシャラフ大統領は15日、米紙ワシントン・ポストなどとの会見で、「西側は、民主主義、市民の自由、人権を押しつけてくる。パキスタンの民主主義制度は、私がこの8年間に作り上げたものだ」と述べ、非常事態導入への批判に反論した。
さらに、14日には憲法を改正し、「公職を引退してから2年以上経過しないと選挙に出られない」「大統領は公職を兼務出来ない」とした条文について、ムシャラフ大統領自身には適用されないようにしたほか、チョードリー前最高裁長官が復職できないようした。いずれも、今後、大統領としての正統性が法廷で争われないよう取りはからった措置だ。
一方、各党は15日から、本格的な選挙戦に入った。イスラム原理主義と関係の深い「統一活動評議会(MMA)」を除き、主要野党はすでに選挙参加を表明している。
米国の政策研究機関が最近行った世論調査では、67%がムシャラフ氏を支持せず、半数以上が非常事態に反対している。このため、各野党とも支持獲得に向け、ムシャラフ批判を一層強めていくとみられる。
政権側はこれに対し、チョードリー前最高裁長官らが「非常事態の犠牲者」として野党側に合流することを最も警戒しており、今後も軟禁や拘束を続ける模様だ。一部の民間放送局も、ケーブルテレビでは視聴できない状態がなお続いており、非常事態宣言に伴う混乱は、下院選の投票日前後まで続く可能性が高い。』(イスラマバード=佐藤昌宏=15日読売新聞)