セルビア・コソボ 再び内戦か 7
【12月23日政治ニュース】 ロシアにとってコソボ独立問題は、単なる外交上の問題ではなく、軍事戦略の要となる最重要課題の延長に位置づけられている。
ロシアは、コソボの単独独立を認めることで、ロシア周辺の独立運動への引き金になる懸念から、欧州連合(EU)による現実的なロシア囲い込み戦略に転化する恐れを警戒している。
そして、欧州連合(EU)と米国によるその戦術は既に展開されている。それは、米国が進めているポーランドとチェコへのミサイル防衛(MD)配備計画だ。
コソボ独立問題と米国のミサイル配備計画は、ロシアにとっては同じ土俵の問題なのだ。今回これらの対抗措置として、プーチン大統領は思い切った戦略に打って出ている。それは、「欧州通常戦力(CFE)条約」の履行停止措置だ。
20日読売新聞は社説でロシア、プーチン政権の戦略を論じている。
『プーチン外交 大国復活をもくろむ“強面” =ロシアのプーチン政権が推進する“強面(こわもて)”外交が、これまで以上に明確な形を取り始めている。
最近の動きで注目すべきは、1992年に発効した欧州通常戦力(CFE)条約の履行を一方的に停止した措置だ。
欧州諸国に配備される通常兵器の上限を定めたCFE条約は、冷戦後の欧州の安全保障体制の礎石、との評価にふさわしい実績を上げてきた。
今回の措置で、ロシアは北大西洋条約機構(NATO)に対し、条約が定める兵力の移動や軍事演習などに関する情報の通知義務を負わなくなる。査察も受け付けないことが予想される。
ロシアもNATOに対し、同様の情報公開などは期待できなくなり、軍事情報をめぐる透明性は低下するだろう。発効から15年、CFE条約が重大な転機に立たされているのは間違いない。
問題の直接の発端となったのは、米国が進めているポーランドとチェコへのミサイル防衛(MD)配備計画だ。
米国は、イランからの弾道ミサイル攻撃を想定したもの、と説明してきたが、ロシアは受け入れていない。その背後にロシア封じ込めの意図を読み、対抗策として打ち出したのが今回の措置だ。
条約復帰のための条件として、ロシアは、バルト3国とスロベニアの条約加盟や、ロシア国内での軍移動制限の撤廃などを挙げている。
プーチン政権の非妥協的な姿勢は、かつてのソ連圏における勢力復活を目指す意図の表れのように見える。』(20日付・読売社説)