アフガン支援国際会議に出口なし
【2月7日政治ニュース】アフガン支援会議の中心課題の一つは、麻薬対策の強化問題である。米軍とNATO連合国は、ケシ栽培は反政府武装勢力タリバンやアルカイダの資金源になっているとして麻薬生産、流通の撲滅対策にやっきになっている。
今回、世界銀行と英国際開発省は5日、「アフガニスタンのアヘン生産を減らすための復興支援策」をまとめた合同報告書を発表したといわれている。また、6日産経新聞は国連薬物犯罪事務所アントニオ・マリア・コスタ事務局長の発表を伝えている。
『アフガン 大量のケシ栽培、収穫を予測=国連薬物犯罪事務所(UNODC)のアントニオ・マリア・コスタ事務局長は6日、東京都千代田区の帝国ホテルで記者会見し、今年のアフガニスタンのケシ栽培は、記録的な作付面積となった昨年の数字(19万2000ヘクタール)と同程度かやや少ないレベルとなり、引き続き大量の収穫高が予測されるとの報告書を発表した。
ケシを栽培する農民は収入の10%を税金としてイスラム原理主義勢力タリバンに取り上げられており、今年、タリバンに1億ドル近い資金をもたらすことになるという。コスタ事務局長は、「備蓄は反政府勢力(タリバン)やテロリストの手にあり、深刻な脅威だ」と警告した。』(6日産経新聞)
アフガニスタンのアヘン生産は近年、世界の90%ちかくを占めてきている、その収入総額はGDPの3分の1にも相当するといわれている。
米軍と連合軍はタリバンとアルカイザの資金源を断つため、国連は麻薬犯罪撲滅を目指してアフガニスタンのケシ栽培を止めさせる計画を強化する必要があると今回の会議でも特に主張している。つまり、「農民をケシ栽培に依存させない」為の方策を世界銀行、国連は積極的な介入を行うというものだ。いわゆる一般的な農家の生産様式に切り替えるインフラ整備と指導を行うというものだ。
長年にわたって、アフガンのケシ栽培は、農民とタリバン、軍閥の三位一体型生産で栽培されているという。軍閥の多くは現在ではカルザイ政権の役職を担っている。この体制がケシ栽培を減産させる困難さをさらに助長しているのが現実である。それは底辺にある基本的貧困の問題もあるが、カルザイ傀儡政権に対する反政府意識が根底に根強く定着しているからだと考えられる。
そのことは、議長を務めるアフガンのスパンタ外相の記者会見でもよく判る。6日毎日新聞はその会見内容を伝えている。
『アフガン:タリバンと和解協議 対テロ戦、行き詰まりを象徴=来日中のスパンタ・アフガニスタン外相が5日、毎日新聞に対し、旧支配勢力タリバンの一部と和解協議に入っていると明らかにしたのは、米軍主導のアフガンでの「テロとの戦い」が行き詰まり、アフガンの治安悪化が武力だけでは解決できない段階に至っていることを示したものだ。
タリバンは01年の米軍によるアフガン侵攻で政権を追われたものの、勢力を回復しつつある。復活の背景にあるのは、米軍主導の軍事作戦の目的がアルカイダやタリバン掃討に偏り、アフガン国民のためとの視点が抜け落ちてきたことだ。軍事作戦優先で、貧しい農村の農業環境や生活は一向に改善されないままだ。政権交代の恩恵を受けられない農村のタリバン支持は衰えず、復活の揺りかごの役割を果たしてきた。
外相は日本に対し軍事分野ではなく、教育面など民生分野の支援を求めた。農民の生活改善が実現すれば、アフガン情勢全体の好転にもつながる。だが治安が悪い地方には非政府組織(NGO)などが入れず、支援活動に取り組めないジレンマも抱える。
カルザイ大統領は昨年9月、中部ガズニ州知事にタリバンと関係の深い人物を任命。同州や北西部バドギス、ファリヤブ州でタリバンのメンバーを州政府スタッフに採用した。バドギス州政府幹部は1月、毎日新聞に「治安はよくなった」と語り、タリバンの政権内への取り込みはカルザイ政権の治安回復戦略の柱になりつつある。
ただタリバン内部には「見せ掛けの和解」との警戒感も根強く、交渉がスムーズに進むかは未知数だ。アフガン国会内にも、09年に予定される大統領選で再選を目指すカルザイ氏の「人気取りに過ぎない」と非難する議員も少なくない。』(6日毎日新聞)(続く)