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2008年03月06日

セルビア・コソボ 再び内戦か 24

「人道的介入」は死語になりつつある 1

【3月6日政治ニュース】3月1日の[政治ニュース]でコソボ問題を「コソボ紛争が象徴する1997年以降の戦争は、「人道的介入」という起爆剤が中心課題だ。そして、「人道的介入」の概念は、戦略的に「集団的自衛権」を正当化する格好の概念になった。」と論じた。



コソボは1999年3月の空爆から現在の独立宣言後も「人道的介入」の背景にある。
独立を宣言したとはいえ、コソボ北部は連日の反対抗議デモで町は騒然としている。関係大使館は閉鎖状態で欧州連合(EU)職員は退避の状態にある。唯一再開した大使館はドイツだけだ。
コソボは現状も国連の監視下にあり、NATOの平和維持部隊が民族対立回避に警備を強化している状況だ。
3月1日日経新聞はコソボにおけるNATO平和維持部隊の増強の模様を伝えている。



『コソボの平和維持部隊、NATOが増強検討=セルビアからのコソボ独立に伴う紛争に備え、北大西洋条約機構(NATO)は現地に駐留させる平和維持部隊(KFOR)増強の検討に入った。セルビアの首都ベオグラードでの大規模デモで米欧の大使館が襲撃されるなど、現地の治安が悪化する可能性が出てきたため。セルビアとの境界であるコソボ北部を中心に監視を強め、民族対立を阻止する方針だ。

 コソボ駐留のKFORは現在は約1万6000人だが、治安情勢の緊迫化に備えて加盟国には数千人規模の部隊が待機している。NATOは近く英独などの待機部隊を現地に派遣。独立を容認していないセルビア人居住区があるコソボ北部の巡回や警備を強化する。』(ブリュッセル=下田敏=3月1日日経新聞)

コソボ独立宣言から約3週間が経ち、最近やっと各紙でコソボの現在位置とこれまでの背景ならびに実態について話題性ある記事が一つ二つと出始めてきた。その一つにIPSJapanも専用サイトでコソボの経済問題を伝えている。
1999年3月のコソボ空爆は「人道的介入」の圧倒的な支持に見守られ開始された。空爆はジェノサイド、「民独浄化」に対する、即時停止の最善策として行使されたという大前提がある。しかし、疲弊しきった旧ユーゴスラビアの経済解体状況がコソボ紛争を巻き起こしたことについては当時から余り論じられなかった。その意味で、今日のコソボの経済事情が紙面に登場したことは貴重なニュースである。



『IPSJapan2008/02/28 コソボ:独立しても経済改善望めず=2月17日のコソボの独立宣言に、人口200万人の大半を占めるアルバニア系住民の間には祝賀ムードが広がる。しかし、世界銀行によれば、コソボの平均年収はおよそ1,800ドル足らず、1人当たりGDPは1,000ドルに満たない。人口の37%が1日2ドル未満の生活を送る。

2月17日のコソボの独立宣言に、人口200万人の大半を占めるアルバニア系住民の間には祝賀ムードが広がるも、同時に、困難な経済情勢は変わらず、悪化すら懸念されるとの認識も深まっている。
コソボ経済は数十年停滞したままだ。だがその原因は、国連コソボ暫定行政支援団(UNMIK)の怠慢やセルビア政府がしばしば指摘してきた地元住民の怠惰に留まらない。

 根源は旧ユーゴスラビア時代にさかのぼる。コソボには数十億ドルが投資されたが、しかし1989年に当時のミロシェビッチ大統領がコソボの自治を廃止し、ベオグラードからの直接統治を導入したことから、コソボの経済活動は崩壊した。

 鉱業、エネルギー、運輸部門に働く数千ものアルバニア系住民が解雇された。しかしセルビア人住民に彼らの代わりを果たす技能はなかった。いずれにしてもコソボ住民のセルビア人がこうした職を埋めるにはあまりに人数が少なかった。埋蔵量150億トンの石炭、数百万トンの亜鉛、鉛、ボーキサイトが地下に眠ったままだ。一般住民は生活のため農業、小商い、あらゆる種類のサービス業に転じた。数千人が海外に移住した。

 世界銀行によれば、コソボの平均年収はおよそ1,800ドル足らず、1人当たりGDPは1,000ドルに満たない。人口の37%が1日2ドル未満の生活を送る。
とりわけ、整備の行き届かない旧式な石炭発電所による電力不足が大きな問題となっている。
独立を認めないセルビア政府からの報復措置が取り沙汰されるコソボの現況を報告する。』(ベオグラードIPS=ヴェスナ・ペリッチ・ジモニッチ、2月20日=翻訳/サマリー=坪沼悦子)(続く)