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2008年03月07日

セルビア・コソボ 再び内戦か 25

「人道的介入」は死語になりつつある 2
金銭援助と独立の行方


【3月7日政治ニュース】 6日の[政治ニュース]でコソボの経済状況について「IPSJapan」の記事を紹介した。それは、独立しても経済の改善が望めないという現実を伝えたものであった。
セルビアの経済復興は旧ユーゴスラビアの不振を旧態以前として引きずり展望は開けていない。唯一セルビア国民の希望、打開策はEU加盟である。今回の大統領選の結果はそのことを明確に表している。国民は大欧州から取り残されていると感じている。コソボ独立は、その危機感を増幅する何ものでもないのだ。

欧州連合(EU)は暗礁に乗り上げたコソボ独立を火付け役として責任をもって舵取りを行わなければならない。その即効的改善策は他をおいても経済支援ということにしかならない。
6日日経新聞は、欧州連合(EU)はセルビア交渉の打開策として具体的な金銭援助を提示したことを伝えている。

『EU、セルビアに経済支援・地域安定にコソボ問題で譲歩要請=欧州連合(EU)の欧州委員会は5日、コソボの独立に強く反対するセルビアに対し、財政支援の拡充や経済的な関係強化を提案した。レーン欧州委員は「EUはセルビアとの関係強化の用意がある」と表明。セルビア国民の多数はEU加盟を望んでいるとしたうえで、早期の加盟を見返りにコソボ問題でセルビアに譲歩を求めた。

 欧州委はセルビアに年間で2億ユーロ(約320億円)前後の財政支援やEU渡航時のビザ免除を提案。コソボ承認に動くEU加盟国との対決姿勢を強めるセルビアに柔軟な対応を要請した。さらに「セルビア政府の動きは欧州統合に背を向けるように見える」(レーン委員)とし、コソボ独立問題でロシアと連携を強めるセルビア政府をけん制した。

 セルビア南部のコソボは2月17日に一方的に独立を宣言。セルビアは独立を認めず、コソボを承認したEU加盟国から駐在大使を召還するなど、反発を強めている。(ブリュッセル=下田敏6日日経新聞)

また、日経新聞は2月29日に、米国と欧州連合の国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)の任務を独立宣言後も継続して行う会議を開いた記事を紹介している。

『セルビア人地区、部隊展開は困難・EUのコソボ特別代表=欧米のコソボ独立承認国を中心に構成するコソボ国際運営グループは28日、初会合を開いた。警察・司法分野を中心に約2000人の文民支援隊(EULEX)を派遣する欧州連合(EU)のフェイツ・コソボ特別代表は記者会見で「独立反対デモが続く北部のセルビア人地区に支援隊が展開するのは治安上、困難」と述べた。そのうえで「コソボ分断はあり得ない」とセルビア政府などをけん制した。

 フェイツ氏はセルビア人居住区に対するセルビア政府の支援は容認したが、「透明性を確保する必要がある」と指摘。今後の支援隊展開に向けて「セルビア人指導者と協議を重ね、支援隊が脅威ではなく利益となることを説明していく」と述べた。

 会合には米英仏独など15カ国が参加。アハティサーリ国連事務総長特使がまとめた仲介案をもとに、コソボの国造りを進めることを確認した。EUは6月末から国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)の任務を引き継ぎ、警察・司法・税関などの分野でコソボを支援する。』(ウィーン=桜庭薫=2月29日日経新聞)

2つの記事から独立宣言の内実を推測すれば、「人道的介入」による「独立」とはいったいどういう意義と個別の価値があるのか、欧州連合の画策と下種の勘繰りが先にたつ。(続く)