膨脹する中国 3

【3月22日政治ニュース】チベット抗議デモは、3月10日の民族自決運動として中国のチベット政策に抗議する僧侶らで例年行われている。今回は自治区警官隊が僧侶約70人を暴行して拘束したことに端を発しているとも言われている。特に今年は北京オリンピックを目前に控えて、中国政府が神経を尖らしていることが重なったことが大枠的な背景の一つだ。
中国は、北京オリンピックで世界に大国のシンボリックな土地としてチベットのチョモランマ(エベレストのチベット名)をアピールしたい。というのも、チベットのチョモランマは中国の神聖な権力を象徴する格好の材料で、まさにオリンピックの象徴性そのものなのだ。
チベット抗議デモから騒乱に展開したチベット問題は、オリンピック開催に向けて環境、人権問題を憂慮させる世界的な関心の的になりつつある。
チベットのチョモランマでアルピニストの野口健氏のコメントを思い出した。今年始め、京都講演後での新聞社のインタビュー内容である。
既に話題になっている5月10日聖火リレーのチョモランマ登頂である。ある意味これ以上のシンボリックなイベントはないと思われる。その為に、このビッグイベントを成功させる為に、中国政府はあらゆる開発も厭わぬ経済効果を狙っていると言われている。野口氏の報告では、昨年の春には中国の聖火リレー隊が訓練の為に約300人がチョモランマ登山を行っていたという。さらに、ベースキャンプ周辺まで完全舗装の道路を整備、ベースキャンプまで観光バスがやってくるという。チョモランマ・ベースキャンプ場は、巨大な駐車場に食堂、民宿、お土産屋が並ぶ一大観光地になっているらしい。
そして、今年は北京オリンピック、世界のチョモランマ登山隊に多くの制限が課せられたというのだ。具体的には、一隊に2カ国以上の国籍の人がいてはならない、写真、ビデオの撮影の制約、
インターネットなどの通信制約が挙げられている。
即ち、チョモランマにゴミなどあってはならないのだ。また、聖火リレー隊が時間厳守通りに登頂するに当たりいかなる障害、妨害があってはならない、そのためのあらゆる処置を講じるということなのだろう。
それもその筈である。チベット独立派ならびにチベット人にしてみれば、中国政府の圧制を世界に知らしめるこれほどの好機到来はないのだから。(続く)