膨脹する中国 7
取材とは程遠い 現地説明会

【写真】チベットのラサで、焼けた建物の前を歩く中国の機動隊=ロイター
【3月27日政治ニュース】 14日の暴動発生から12日後、はじめて中国政府は外国メディアの取材を許可した。当局がラサは平常に戻っている、閉鎖されていた商店もほぼ7割近くが営業を始めているとしきりに暴動不安説を吹っ飛ばす声明を出してからの取材許可だ。
許可を許された19社の報道陣はとにかく現地ラサに入り取材にこぎつけた。内容は、既に海外テレビで一部放映されたが、当局のビデオ編集を見せられ、説明を聞くといった様子だ。沈静化された現場を確認するしかない作業を取材といえるかの疑問が残る。
27日毎日新聞は、外国メディアが現地取材を許可された模様を伝えている。
『チベット暴動:厳戒のラサ、報道陣に公開=中国政府は26日、大規模暴動が発生したチベット自治区ラサを、AP通信など国内外の報道機関19社に公開した。14日の暴動発生後、外国メディアが現地取材を許可されたのは初めて。
AP通信がラサ発で報じたところでは、記者団を乗せたバスは空港からラサ市内に向かう途中、3カ所で検問を受けた。ほぼすべての曲がり角に公安当局者が配置され、当局の施設とみられる建物では、迷彩服に身を包み、銃を肩からさげた当局者が警戒していた。』(27日毎日新聞中国総局)
今回の外国メディアの取材許可の狙いはどこにあるのか。言うまでもないが、外国からの強い取材許可が求められており、聖火リレーの出発に合わせ今後、世界のメディアが北京オリンピックに何かにつけて以前より一層注目することを睨み、チベット問題における地域的治安の回復をアピールする狙いが考えられる。
さらに、おいそれと公開取材を許可するほど中国政府は情報開示に真摯な姿勢である筈がないというのが現実だ。即ち、おまけつきなのだ。外国メディアに対して説教を宣ふことまで準備されていた。
27日毎日新聞は、中国政府が公開した取材陣に対して強硬な批判声明をだした、その内容を伝えている。
『チベット暴動:西側メディアを「わい曲・虚偽報道」と非難=中国国営新華社通信(電子版)によると、中国の報道関係者による全国組織「中華全国新聞工作者協会」が26日、チベット自治区ラサで起きた暴動に関する西側メディアの報道について、具体的な事例を挙げて「わい曲・虚偽報道を行っている」と強く非難する声明を出した。
声明は、(1)西側の著名メディアは、救急車が映っている映像に「ラサに多くの軍隊」との説明をつけて「騒乱が続いている」と報じた(2)あるメディアは、事実を誇張して「チベット人数百人が殺害された」と報じた−−などと指摘。
また協会は、中国のジャーナリストの職業倫理の発展に努力を続けていると主張したうえで、「その一方で、一部の外国の同業者は、真実性、客観性、公正性という基本的なジャーナリズム精神に反している」と強く批判した。ただ、「虚偽報道を行った」とする報道機関を名指しはしていない。』(3月27日毎日新聞=中国総局)(続く)