聖火はヒマラヤを越えられるか 8
オリンピックは大国主義の成れの果
【3月29日政治ニュース】チベット人権問題は、中国政府の外国メディア報道に対する否定が反って国際的話題に発展、各国の対応は、否定から批判を繰返すごとに益々不信感を増幅させた。その過敏さは中国政府に対する拒否をも生みつつある。
チベット人権問題と北京オリンピックの関係で確認しておかなければならない現実がある。それは、中国政府は北京オリンピックに際しての過程で、ダライ・ラマ14世と話し合いを断じて持たないということだ。
結論から言って、サルコジ大統領がその仲裁を買って出ても全く無視されているように、この原因は、というより背景はIOC、国際オリンピックロゲ委員長が声明を出しているように、「われわれは、オリンピックの主旨と憲章を尊重しなければならない。その主旨は、オリンピックを政治問題化してはならないというものだ」という国際オリンピック委員会のお墨付きがあることだ。
だから、温家宝・首相は、自信をもってオリンピック委員会会長の声明と同じ声明を記者会見で述べた。
中国政府は、チベット問題は世界の大国、特に国連常任理事国が抱えている植民地政策、人種差別と民族問題であり、明らかに「国内問題」だと主張、確信している。
今回の騒動で中国政府に批判的なのが主にEU欧州連合だ、しかし、大国ロシアと米国は、むしろロシアは好意的擁護にまわり、米国は対話を促す程度に留まっている。中国も戦争狂のブッシュ政権に批判されては堪らない、冗談は止めてくれということだろう。
3月28日世界日報はロシアの中国支持を報じている。
『最近の中国チベット自治区の大規模暴動に対するロシア側の反応は欧米の対中非難と著しく対照的だ。ロシア外務省は声明で「ロシアはチベットを中国の不可分の一部であると再三表明してきた」と中国支持の立場を表明した。両国関係はさらに接近するものとみられる。
また、ラブロフ外相は、チベット暴動はコソボ独立宣言が影響したとし、コソボ独立を承認した欧米諸国を非難した。』
『チベット暴動はコソボ独立宣言が影響した』という論理には脱帽するしかないが、一見民主的である独裁国家は、北朝鮮と変わらぬ唯我独尊、一国よがりの賛美に終始している。それは常任理事5カ国全てに当てはまる近代国家をひと括りにした様式といえる。現在、各国は、自由、民主主義的な国家形態など持ち合わせていないというのが現状だ。(続く)

