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イラン開戦に軸足 米国

2007年11月02日

イラン開戦に軸足 ブッシュ政権 5

ジャファリ司令官【写真】はイラン革命防衛隊のアリ・ジャファリ司令官

米国とイランは、もはや外交上の戦闘状態になっている

ブッシュ政権の強行制裁が米国民の排撃意識を高める状況にあって、米軍は、戦闘準備を既に終えてスタンバイの状態だ。一方、イラン軍司令官等も精神的には戦闘状態に入っている。

戦闘準備スタンバイの米国の動きに対して、イラン軍は微動ともしない体制である。ややもすると待ち受けているようにすら思われる司令官の発言が目立つ、何とも勇ましいかぎりである。



【11月2日政治ニュース】 1日世界日報は、イラン革命防衛隊のアリ・ジャファリ司令官の発言を伝えている。

『イラン攻撃すれば米国は「泥沼」に=イラン革命防衛隊司令官=イランは31日、米国に対し、イランを攻撃すれば「イラク以上に深い泥沼」に陥ることになると警告した。ブッシュ米大統領は、イランが核武装すれば第3次世界大戦になると示唆。米政府は外交的解決を望むとしているが、ある米当局者は31日、一段と「現実的な外交」が必要だとの考えを示した。
 ファラス通信によると、イラン革命防衛隊のアリ・ジャファリ司令官は「敵が未熟さを露呈してイランに侵攻しようとすれば、イランから手痛い一撃をくらうことになる」とし、「イランを攻撃すればイラクやアフガニスタン以上に深い泥沼に陥り、敗退せざるを得ないことを敵は知っている」と語った。米国を名指しすることはなかった。』(1日世界日報)



さらに、30日CNN通信はイラン海軍の自爆攻撃を示唆する発言を報じた。

『イラン海軍司令官、自爆攻撃の可能性を明言 米国をけん制か=イラン革命防衛隊海上部隊のファダビ司令官は29日、同部隊がペルシャ湾で敵軍に対して自爆攻撃を実行する可能性を明言した。ファルス通信が伝えた。
ファダビ司令官は、イスラム教の預言者ムハンマドの孫で、シーア派の信仰を集めているイマーム・フセインの命日「アシュラ」に言及し、必要であれば「殉教分子」を利用すると述べた。』(30日CNN)

また、30日 読売新聞はファダビ司令官代理の言葉として、『イラン・イラク戦争時、体に爆発物を巻き付け、自らの命と引き換えにイラク軍戦車を爆破した13歳の少年を例に引きながら、「必要とあれば、我々は殉教精神を発揮するだろう。ペルシャ湾や戦略的要衝のホルムズ海峡は小さな軍事行動で大きな衝撃を与えることができる」と述べた。』。



2007年11月01日

イラン開戦に軸足 ブッシュ政権 4

チェイニー副大統領の狙い
今世紀最悪のガン チェイニー副大統領

【11月1日政治ニュースチェイニー副大統領は、イラク開戦の時がそうであったように、虎視耽々とイラン開戦を狙っている。政権内では既にライス国務長官を押さえ、世論を開戦へと誘導している。
そして、ブッシュ政権のイラク政策失敗から陰を薄くしていたネオコン派の巻き返しが顕著になりつつある。
現在最優先されるべきは、イランの核問題だと発言してはばからないチェイニー副大統領だが、それに同調して、ブッシュ大統領もイランに核武装を許せば第三次大戦を誘発するとまで主張している。
ブッシュ政権のイラン排撃はそれなりの米国流根拠がある。それは、他の核保有国とは全く違う、米国に対して宣戦布告的対応に終始している点だ。
アハマディネジャド大統領の「中東から米国の影響力を一掃せよ」といった挑発的な発言は、ブッシュ大統領にとっては絶対に看過できない発言なのだ。

また、現実的に米国の中東政策の妨げになっている。イラン革命防衛隊はレバノンのヒズボラ、パレスチナのハマス、イラクのシーア派武装組織といった過激派への資金と武器援助を行ない、その結果、米兵の犠牲者の多くはこの影響の為だと米国は確信している。従って、攻撃して敵討ちしなければならないと真剣に考えている。チェイニー副大統領は、さらにこの理由と違った展望でイラク開戦を模索している。ガンは新たな血を求める宿命にあるように、「戦争」を必要としている。その意味で今世紀最悪の吸血鬼である。



30日東京新聞は、米国市民のイランへの軍事攻撃に対しての賛否調査の結果報告を伝えている。

『米世論調査会社ゾグビー・インターナショナルが二十九日に発表した調査結果によると、米有権者の52%がイランの核兵器開発を阻止するための軍事攻撃を支持し、53%が来年十一月の米大統領選前に米軍が攻撃を開始すると予想していることが分かった。
 調査は、チェイニー副大統領が核開発を続けるイランに対して「このままでは重大な結果を招く」とけん制したり、ブッシュ政権が独自の対イラン制裁措置を発表したことに合わせて、二十四日から二十七日まで全米の有権者千二十八人を対象に電話で行った。
 支持政党別にみると、「比較的近い将来の米軍によるイラン攻撃を予測」しているのは、民主党支持者が63%、無党派層が51%、共和党支持者が44%。一方で「攻撃を支持する」と回答したのは、共和党が71%、無党派層が44%、民主党支持者が41%だった。』(30日東京新聞)(続く)



2007年10月28日

イラン開戦に軸足 ブッシュ政権 3

やぶ蛇から焼け木杭に火が付いた

イランは、米国が強硬姿勢を強めれば国民が即座に強硬論で結束を図るとよく言われる。過激度では中東でも屈指の国柄である。その象徴が現在アフマディネジャド大統領であろう。
国民は米国のイラン空爆に対して、直ちに倍返しの攻撃を加えると豪語する。米国侵略流民主主義の下で結束を図っている有志連合国に毅然と立ちはだかっている国は、世界でも数少なくなってきている現況を考えれば、イランはたんとも頼もしい限りの国である。



【10月28日政治ニュース】 27日読売新聞はブッシュ政権のイラン制裁に対して、即座にイラン国内は反撃ムードに転じている模様を伝えている。

『米制裁にイラン猛反発、強硬路線に拍車も=イラン国営通信によると、革命防衛隊のジャファリ司令官は25日、「もし敵(米国)が(軍事攻撃の)脅しをあえて実行に移すならば、我々は何倍も激しい反撃で応じるだろう」と述べ、対イラン圧力を強める米国を強くけん制した。
 同国外務省のホセイニ報道官も同日、「イランの国民と合法的な機関に対する米国の敵対的な政策は、国際法規に反しており、過去(の制裁)と同様に失敗に終わる運命にある」と述べ、米国の制裁発動を非難した。
 核問題などをめぐり、米国がイランの国営銀行に単独制裁を科すのは、昨年のサデラート、今年1月のセパに次ぐものだ。すでにイランは対抗して、原油輸出代金や商取引の決済をユーロや円などドル以外の通貨に移行。中央銀行によると、原油輸出代金の85%がドル以外で支払われている。さらに、原油価格の高騰により外貨収入は潤沢で、今回の制裁の即効性を疑問視する声もある。
 
一方、イランが核問題で翻意する可能性はほとんどない。アフマディネジャド大統領は制裁発表前日の24日、濃縮停止を求める国連安全保障理事会の制裁決議を「無価値な紙の束」と切り捨てた。政治経済専門家のサイド・レイラズ氏は「大統領は、政府の失政の責任を転嫁できる上、強硬路線も国民の支持を得やすくなる」と述べ、今回の制裁がかえってイランの態度を硬化させるとの見通しを示した。』(27日読売新聞)(続く)



2007年10月27日

イラン開戦に軸足 ブッシュ政権 2

やぶ蛇になるブッシュ政権の単独制裁

【10月27日政治ニュース】 アルメニアを訪れていたアフマディネジャド大統領が、23日「イランで起きた不測の事態と、国内での延期できない会合」が理由だとして日程を短縮、急きょ帰国したことは記憶に新しい。現在、イランではアフマディネジャド大統領の核政策が必ずしも一枚岩で進められている状況ではないと伝えられている。アフマディネジャド大統領の帰国は、20日、核交渉最高責任者のラリジャニ最高安全保障委員会事務局長が辞任して、その確執が暗に伝えられたかたちになり、保守派内の亀裂が表面化した為だと伝えられている。

イラン経済は市民の生活必需品の高騰など厳しい経済状況が続き、保守派内の穏健派からも大統領への批判が高まっていると言われる。要するに、公約通の「石油の富」が市民に還元されていないという批判だ。
しかし、イラン人は内政干渉に対しては、極度の反発姿勢を示す民族性であるために、反って政権結束に転じアフマディネジャド大統領支持につながるということを繰返してきている。



26日毎日新聞は、イラン政権のこの実態を伝えている。

 『<イラン>米の制裁強化で、指導部は「反米結束」か=今回の米制裁は、イラン革命防衛隊の精鋭・クッズ部隊を主権国家の軍組織として初めて「テロ組織」に指定するなどの内容だ。米政府は「革命防衛隊がイラクのイスラム教シーア派勢力を支援しイラク情勢を悪化させている」と分析しているからだ。

 これに対しイランは、イラクの治安悪化は米占領政策にあると主張。ホセイニ外務報道官も今回「米国はイラク危機を自ら生み出している」と反論した。今年8月に米政府が今回の制裁を検討していることが表面化した際、イラン国会議員の大部分が連名で、米軍とCIA(米中央情報局)を「テロ組織」だと主張する声明で対抗した。

 イラン国会外交・安保委員会のジャラリ議員は米国の制裁強化を「主権国家への内政干渉であり、戦略ミス」だと強調した。イラン人は「外圧」には結束して対抗する国民性で、大統領は経済悪化の原因を米国の制裁に転化しやすくなる。核政策を巡る保守強硬派内の亀裂は戦術面での対立であり、ウラン濃縮を継続するという方針は変わらない。プーチン露大統領は先のイラン訪問でイラン核開発を支持し、米国内のイラン空爆論に反発する姿勢を示した。米国が強硬姿勢を強めればイラン国内では強硬論が台頭する傾向が強いことから、ロシアの支持を背景に強硬論で結束を図る可能性もありそうだ。』(26日毎日新聞)(続く)



イラン開戦に軸足 ブッシュ政権 1

【10月27日政治ニュース】 26日読売新聞は、ブッシュ政権のイランに対する単独制裁処置の内容を報じた。



『米、イラン精鋭部隊に制裁発動…各国銀行に取引中止要求も=ライス米国務長官とポールソン財務長官は25日朝(日本時間同夜)、国務省で記者会見し、大量破壊兵器の拡散やテロ組織の支援に関与しているとして、イラン軍精鋭部隊の「革命防衛隊」や3大国営銀行などを対象に新たな制裁を発動した、と発表した。

 革命防衛隊は「大量破壊兵器拡散にかかわる組織」に、また、イラン国外で活動する革命防衛隊の特殊部隊「アルクッズ部隊」は「テロ支援組織」に、主権国家の軍部隊としてそれぞれ初めて指定された。
 新たな制裁では革命防衛隊、イラン国防軍需省、3大銀行のメリ、メラト、サデラト銀行などを対象としており、米国内の資産が凍結され、米国の個人・企業は取引が禁止された。
 ポールソン財務長官は「世界中の銀行、企業にいかなる取引も中止するよう求める」と訴えており、日本なども影響を受けそうだ。革命防衛隊の支配下にある石油、通信などの有力企業も制裁対象とされ、イラン経済の中核を占める金融・産業分野の企業を国際経済から締め出し、制裁の実効性を高める狙いだ。
 ライス長官は「(イラン核問題の)外交的解決に努力する」と強調しながらも、「イランが対決を選ぶなら、米国は国際社会とともに脅威に対抗する」と、今後も厳しい態度で臨む決意を示した。
 米政府はこれまで、アルクッズ部隊がアフガニスタンの旧支配勢力タリバンや、イラクのシーア派武装組織に武器を提供していると非難。また、国際社会の度重なる停止要求を無視してウラン濃縮活動を続けるイランに対し、米国は、国連安全保障理事会で制裁強化を求めているが、中露が慎重姿勢を崩さないため、米独自の制裁強化に踏み切った。』(26日 読売新聞)



26日【ワシントン時事】も対イラン政策の新たな局面を報じている。

『米ブッシュ政権は25日、1979年のイランとの断交以来、最も厳しい制裁を同国に科した。国連安全保障理事会を舞台にした国際協調の下、イラン核問題の外交解決を目指すライス国務長官流の柔軟路線は後退を余儀なくされ、ブッシュ政権は圧力を一気に高める対決路線に軸足を移し替えた。米政界では対イラン開戦を懸念する声も起こり、米・イラン間の緊迫は新たな局面に入った。』(26日ワシントン時事)(続く)